中古住宅を古民家風にDIYリフォーム!

中古住宅を購入。心地よく住むために、古民家風に手を入れていくプロセスを紹介します。

<考察>同面積だと、中古マンションより戸建てのほうが安い

はじめまして、夫です。


多方向からの目線も大事かと思いまして、
時々登場させていただくことにしました。



まず最初に妻にチラシを見せられた時、びっくりしました。
そもそもマンションと戸建てとなら戸建ての方が高いと思い込んでいました。
もちろん同じくらいの条件でということです。
駅から何分くらい、まずは建物の広さ、古さ、立地の条件、色々とありますが、
駅から徒歩圏なら戸建ては希少性が高く、高いというのが通念ですが、


さにあらず。


鎌倉では近隣の中古マンションよりも戸建ての方が安いのです。


なんで?


不思議だ。でも本当なんです。
色々調べて自分なりに解釈してみました。



1、中古戸建ては以前知らない人が住んでいた
  
あたりまえじゃん、中古マンションだって知らない人が住んでいたでしょ!
でもね。他人のもの感がマンションより強いのです。我が家の買う前の資料には前のオーナーの残置物が写真に残っていて、ここに住むにはなんというか居候をさせていただく感じ。
でもでもこれはね、とてもラッキーなことなのです。
他の買い手も同じように嫌な印象を持つわけだから、売り手は大幅に物件価格を下げないと売れないのです。
あなたの財布は楽になりました。それに我らには必殺技、リフォームという手があります。



2、マンションの建物耐用年数は60年、戸建ての耐用年数は25年(多少解釈が違う場合もあるが)。


土地の持分があるので最終的には土地の持分価格−解体費用に集約される。ほとんどの中古戸建ては建物価値がゼロになっているのが現実です。うちは築45年ですから建物価格ゼロ円の家に住んでいることになります。あるのは土地の価格だけ。では、建て替えますか? いいえ。全てが快適と言えないまでも心地よく住んでいるのですから。


マンション60年、戸建て25年なんていうものはお役所が決めたことです。実際は30年、40年過ぎてもどんな状態で維持されているかということです。法隆寺を見てください(我が家は法隆寺と同じか?)。木造でもちゃんと作ってあって補修されていれば長く保つのです。
それではマンションの場合どうでしょう?


古くなると建て替えの話も出ますが、解体費用は戸建てより高く土地価格がべらぼうに高い地域以外、大半のマンションはだましだまし住むしかないのです。



3、「既存不適格」という言葉をご存じでしょうか? 屈辱的な言葉ですが不動産売買においてはよく出てくる言葉です。


マンションも戸建ても、建築した当時はここまで建ててよいと建築できたものが、その後規制が厳しくなって今の決まりで立て替えすると元の面積より狭くなる。
これが「既存不適格」です。特に戸建ては道路規制に引っかかる建物が膨大に存在します。古い住宅地ほどこの道路規制に引っかかりがちです。なんでも、幅4メートル以上の道路に2メートル以上接していなければいけない。じゃあ、うちはアウトか? これも救済策があって、道路の真ん中から2メートルひっこめて敷地を作り替えれば建て替えOKというもの。


これをクリアしてもまだ規制がある。鎌倉から北鎌倉に至る閑静な土地は線路を挟んで両側にVの字になっている。住宅は斜面に建っている。そうすると山側の敷地境界が斜面の場合、その天辺から30度の傾きをもって引いたラインより内側に建てなければならないらしい。要するに敷地の奥が崖とかの場合、自分ちの敷地でも建てる場所に規制を受ける。



なんでか? それは大雨などで崖崩れが起きた場合、居住区に土砂が侵入しないためである。
いやいやめんどくさい!
そんなの全部クリアした戸建てはないのか?
あります。少しお高いですが。仮にあなたが3000万で家を探していたとします。道路の問題も種々規制も全部クリアした建物もあります。駅からの距離も景観も住み心地も同じ。なんの規制にも引っかからない。はい、あなたは6000万出せばいいだけです。



4、「既存不適格」のクリアの仕方


うちの近所の戸建てを見てみると私の見立てでは半分くらい既存不適格住宅です。この辺りは限界没落住宅地か? いいえそうとも言えません。


古い家はどうしているかというと柱と屋根とだけになって作り直しているのです。ほとんど新築じゃん? 


でもこれは建て替えではなく改築になります。


思うままに書いてみましたが、このような事情ににより同地区の同面積の中古マンションより戸建ての方が安いのです。お買い得ですよ!


しっくい祭。初日!


しっくい祭の初日。


DIYアドバイザーの嶋崎さんと、仲間のアドバイザー4名の方が参加してくれました。
夫と私をプラスして、総勢7名です。
はじめましての挨拶と、しっくい祭の開会宣言のあと、
嶋崎さんがリーダーとなり打ち合わせと手順の確認がなされます。
テキパキとみなさんとっても頼もしい様子です!


↓作業の進め方を打ち合わせ中。
「しっくいはいつ塗る?」「建具を塗ったあと、最後に塗ろう」


1 しっくいを塗る壁の下地処理にシーラーを塗る
2 天井を白ペンキで塗る
3 建具(木の桟と柱)をこげ茶のペンキで塗る
4 壁をしっくいで塗る


という作業の順序が決まりました。
着替えたあと、作業開始です!
1階と2階のチームに分かれ、シーラーと天井の白ペンキの作業が同時進行です。


作業1の下地処理についてですが、
しっくいを塗る壁にシーラー処理をきちんとしないと、
「しっくいが剥がれて落ちてくる」
「アクがしみ出てくる」
ということでした。


しっくいを塗るイメージばかり膨らんでいた私。
下地処理がとっても大事なんだということを知りました。


わが家の場合、しっくいを塗る壁の素材は、和室とトイレと2階の1部屋が砂壁。キッチンは壁紙。1階の洗面所と2階のもう1部屋はベニヤ板の上に壁紙です。
「カチオンタイプのシーラーがいい」とのことで、
Amazonで購入していたのは、カチオン型の水性シーラー9リットル入り。送料込みで6,500円ぐらいでした。


実はこの大事な下地処理のシーラー。量が足りないだろうということになり、この日の午前中、さっそく夫が大船のコーナンに買い物へ。
準備していたつもりでも、どうしても足りないものはでてきます。
ムダになるかもしれないけど、作業の効率を考えると、材料は少し多めに買っておくといいかもしれませんね。


↓長い柄をつけたローラーで、壁にシーラーを塗っています。


↓狭い場所は、刷毛でシーラーを塗ります。
青い手袋は「ニトリル」。超薄型で手にフィットします。


青い手袋「ニトリル」は優れものです。
1箱100枚入りをAmazonで購入。2500円くらいでした。
耐油性があるのでペンキなどを扱うときにいいそうです。
手にピタッとフィットして、手袋をつけていることを忘れるような心地よい使用感は、白髪染めのときに使うビニールの透明手袋とは大違いです。


「作業が終わったあと、手袋をひっくり返しながら脱いで、端をくるっとしばって捨てていたのが、見ていておもしろかった」と夫。


休憩やお昼のときに手袋を脱ぐのですが、ひっくり返しながら脱いで、そのあと作業開始のときに、フッと息を吹き込むと風船のようにふくらみ、手袋を装着しやすくなります。


↓左では白ペンキを準備中。右ではシーラーの作業中。テキパキ同時進行です!


上の写真の右下のバケツにビニールがかけてあるのが見えますよね。
このようにバケツにビニール袋を入れて、その中にシーラーやペンキを入れることで、
バケツを洗う手間が省けるのだとか。
すばらしい知恵です!


↓天井の照明のコードに養生をしています。嶋崎さんは電気工事士の資格を持っているので、この作業が可能です。


↓キッチンの天井を白ペンキで塗っていきます。


ペンキというと、トム・ソーヤのペンキ塗りの話を思い出します。
ペンキを塗るのは楽しそうに見えて、自分もやってみたくなるのですが、
実はなかなか難しいのです。
1回塗れば終わり、というものでもなく、
「1回だとムラがでるので、2回、3回と塗り直しが必要だった」と夫。


↓和室の天井を白ペンキで。奥では壁にシーラー処理をしています。


天井の白ペンキが乾いたら、天井側にマスキングテープで養生をしてから、
木の桟や柱をこげ茶のペンキで塗ります。
桟や柱は細いので、絵の具用の筆で丁寧に塗っていきます。


さてさて、DIYアドバイザーのみなさんのテキパキとした活躍で、
シーラー、白ペンキ、こげ茶ペンキと作業は進むのですが、
なんせ部屋数が多い(大邸宅という意味ではありません 笑)。
1階の和室、キッチン、洗面所、トイレ、2階は2部屋で、作業箇所が6箇所もあるんです。
しっくいの作業までなかなか辿り着きません。


「これはいったい、終わるのだろうか」と一抹の不安がよぎります。


↓休憩中。コロナ禍だったので、お互いに距離をとって座ってます。
中央にあるのは、しっくいの箱。テーブルがわりです。


夕方になって、1階のキッチンと和室で、少し試してみるという感じで、しっくい作業に入る運びとなりました。


しっくい作業って、まず何をするか、わかります?


なんと、足で踏むんですねー!


箱から出したしっくいは、頑丈なビニール袋に入ってるのですが、
床に置いて上から両足で踏みます。
フミフミしているうちに、バキバキに硬かったしっくいがやわらかくなっていくのが、
足の裏の感触でわかります。
これ、けっこう達成感があります。
さぬきうどんもこんな感じなのかなと。


フミフミしてます。ノリノリです。


でも実はこれは、格安のしっくいだったから(「しっくい祭りの準備」で経緯を書きました)。
「ホームセンターに並んでいるような、ちゃんとした(もとい、高い)しっくいだと、踏むような作業は必要ないのだよ」と夫。
そうだったのか……。だから3分の1の値段のしっくいなのか。
ここで初めて納得です。


作業は5時に終了。
おつかれさまでした。


結局、初日はほとんどしっくい作業はしていないのですが、
和室の一部の障子が外れなかったので、次回の外す対策を検討したり、
キッチンをどんなふうにDIYするか相談したりと、いろいろな準備ができました。


本格的にしっくいを塗ることになったのは翌日なので、その話は次回に。



おまけ
梅雨時期は明月院に向かって列ができます。


<考察>格安の中古戸建住宅に出会ったら、すること

こんにちは、夫です。


我が中古住宅は2021年春、古民家風新居で東京オリンピック開会式を見るべくリフォームに励むのですが、
実は鎌倉で中古住宅を買おうと思ったのはこれが初めてではないのです。


妻に資料を見せられて安さに驚いたのは、これより前の、1軒目の住宅です。


駅から7分、やはり斜面の天辺近くにある古風な住宅。
見学を申し出たのは私たちが最初だっだそうです。
オーナーがいる日で、朝から4組の見学がありました。
もちろん私たちが朝一番。


実は実はその前に私はその家の前まで行って隠密に見て来ていました。
どうやって?
はい。
まず、資料にある古風な住宅の屋根の色を記憶します。
不動産屋の資料、番地までは書いてないが、だいたいこの辺りという印を頼りに
グーグルアースで探すのです。
楽しいですよ。
「ここに違いない」というところを見つけたら自分で作った地図を頼りに、
うちの前まで行くのです。
ご近所のみなさまあの日あの近くでうろうろしていた男は私です。
すみませんでした。



敷地内はもちろん入りませんよ。
でも、周りの環境はどうか? 眺望はどうか? 道路付はどうか? 再建築はできそうか?賃貸駐車場は近くにあるのか?


ここでお断りしなければいけませんが、私のいう格安中古住宅は基本、駐車場が付いていないと思ってください。
それでこの家はどうだったのか?


眺望は抜群でした。
1階からも鎌倉の森、谷間が見渡せてほんと別荘地に来ているような気分。
庭もそれなりにあるようです。
なんでこんなに安いの?
それは道路が原因でした。
接しているのは「一間道」といって幅1.8m。しかもその道路は十数段の石段を登って辿り着く。
その下の道も2.5mくらいはあるのですが、途中とても細いところがあって車が入って来られるのは150mくらい先なのです。
「いやあ、ちょっとね」
ですが建物は古風で素敵なのです。



うちへ帰って家族会議。猫も参加。妻は大いに乗り気です。
ここに住んだ場合、私の仕事用の機材の運搬は車の入るところまで妻が手伝うとまで言ってくれました。


内見当日、不動産屋さんとは駅で待ち合わせでした。歩いて辿り着いたのはやはりあの家。
石段を登って玄関でピンポン。出てこられたのは意外や意外、若いご夫婦でした。それにお子さんもいらっしゃる。
洗濯物をとりこんでいて、でも家具がほとんど無いのです。どうやって?
聞いてみると時々来るのだそうです。不思議な感じ。


肝心の部屋は古くて傷んではいるが元々素敵な造りで、なんというか大正モダン。
2階の和室に上がると造りもしっかりしていて、ドアに猫用の出入り通路がついている。我々にぴったり。
それ以上に2階からの眺めは抜群で、大自然に囲まれている気分。
ただキッチン、バスなど水回りはリフォームに相当お金がかかるように見受けました。


内見が終わって駅までの帰り道、手応えありと感じた不動産屋さんは「どうですか?」と切り出した。
私は満足げな妻の顔を見つつ、「少しまけてくれませんか?」と切り出した。
不動産屋の担当者は「無理ですよ、ぎりぎりの値段で出していますから。今決めないと次の内見者で決まってしまいますよ」と。
私は余裕の顔で、後で連絡ください。と、お別れをしました。


なんと、担当者の言う通り2人目の内見者が満額で決めたそうです。
!!!
妻の不機嫌はピークに達し、それを挽回すべく私の鎌倉不動産探しの旅が始まるのでした。




さて、この「考察」では、今回の体験から得た教訓を語らなければいけません。


1、中古戸建住宅はべらぼうに安いものが存在する。
なんで?
例えば高度成長期、そこそこ収入のあるサラリーマンが、程よい場所に新築する。やがて子供たちは大学を出て、1人は海外勤務、1人は都心にマンションを買う。おじいちゃんおばあちゃんになった元サラリーマンは、古家を処分して一緒に住もうと誘われるが、いやいや自分の人生の染みついた家は手放せない。やがて高齢になり、施設へ。
残された家は傷むばかり。相続が発生すると、子供たちはどうするか? 不動産屋に任せ、現金化してもらう。不動産屋は手間をかけたく無い。
ここに安売り中古戸建てが派生するのである。


どうやったらそういう住宅に出会えるの?


まあ、それは追い追い。
買い逃さないためには……


2、十分な現金を用意する
全額現金で買えればそれがベスト。中古住宅はローンがおりないケースがあるので、不動産屋は現金の購入者を優先する。


3、あらかじめ外せないものの順位を決めておく。
例えば、駅徒歩圏は絶対、とか。既存不適格は除外とか。それで予算のレベルがだいたい決まってきます。


4、もし格安住宅と出会えても、どうしても相容れない要素があれば、撤退する勇気を!
あわてて飛び乗って後悔なんてことはしたく無いですから。格安といえど大金。


5、内見前の街歩き、これはお勧めします。駅から10分と言っても大変な坂道でとても歩けないなんて場合もあります。
買って住んだ場合の生活も想像しやすくなります。また、考える時間ができるので内見当日、心の余裕ができます。


6、裏技です。中古戸建てから探すのではなく、土地から探すのです。大抵は何も無い更地なのですが、たまに土地「古家あり」と言うのがあります。
取り壊すことを前提にしているのですが、「まだ住めるのでは無いか」という古家もあることはあるのです。そうなると超お買い得です。