「三為(さんため)業者」って何だ?
夫です。
前回に引き続き、横須賀の物件の話。
去年の夏は暑かったですね。
昨夏、我々夫婦が能登へ旅行していた頃のことです。
担当者に、断りの電話を入れようとしたのですが、なにしろ担当者にも会っていない。
あらためて不動産業者のサイトを開き、物件の詳細を見たのです。
担当者の名前と電話番号……、するとこの物件の値段が大幅に下げられているではありませんか!
あれれ。
また決心が微妙になってきました。
旅先のホテルで、ノートパソコンに送られた資料をもう一度見てみました。
固定資産税評価額が記載されていました。
土地建物の評価額が物件価格よりかなり高い。
「こんなことってあるんだ」
「これって本来価値のある土地ってことだろうか?」
売主の欄は不動産会社の名前かと?
……そうではありません。
「三為になります」と書いてある。
はて、三為?
人の名前?
藤原三為?(笑)
ネットで調べてみると
さんため、と読むそうです。
三為業者とは何か?
不動産を「第三者の為に契約する業者」の事で、簡単に行ってしまえば「転売業者の事」と。
なんのこっちゃ?
普通の不動産業者でも売主のために骨を折ってくれるではないか?
どこが違う?
色々調べた結果私なりの解釈を述べます。
普通の不動産売買は、家の売主が不動産会社に頼み買い手を見つけてもらう。
買い主は合意に達した代金を払い、家を引き渡してもらう。
売主も買主もそのお礼(手数料)に物件の3%+6万円+消費税を不動産会社に払う(少額の場合5%)。
大体3%ちょっとという認識だが、不動産業者にしてみれば物件の価格次第でものすごく違いが出る。
1億の3%は300万であり、1千万の3%は30万である。
物件価格が高額でも低額でも、手間は大差ない。
不動産業者にしてみれば低額の物件を扱うと儲けが薄い。
そんな物件は扱いたくないのが人情だ。
不動産業者がいったん買い取るという方法もある。
安く買い取って高く売る。
しかし、買い取ると自社で物件の登記をしなければいけないし、転売で得た利益には税金もかかる。
そこで「三為業者」の登場となる。
三為業者は、家が売れたとき売主に手渡す金額を、あらかじめ決めておく。
その金額にしっかり利益を乗せた価格で買い主を探す。
買い主が見つかると、その買主は三為業者に代金を払い、三為業者はあらかじめ決めた代金を売主に払う。つまり、手数料などの縛りがないのが特徴だ。
契約は売主と買い主間で行う形式をとるのだが、実際は三為業者が売主、買主それぞれと手続きを行う。
三為業者の利益は一体いくらなのかわからない。
つまり三為契約は中間利益をしっかり取るための法的抜け道みたいなものだと認識する。
いや、民法第537条以下の「第三者のためにする契約」にあたるそうだから、法的には問題ないのだが。
例えば三為業者は古家を確保の上、500万で買主を探し、売主に250万渡す。
こんなことが可能なのだ。
「そんなことをするより売主は一般不動産会社に頼んだ方が得でしょ」と思うかもしれないが、低額物件はなかなか扱ってくれないのが現実だ。
私が契約したこの業者、ネットで評判を見てもそう悪いようでもなく、とにかくこういう形式で契約するものだと。
それより問題は、この物件が果たして我がDIY力で再生できるものかどうか?
そこにかかっている。
あらためて不動産会社の担当の女性に電話で連絡をとってみた。
担当者:
「見てこられましたか? すごかったでしょ」
私:
「はい、すごかったです。草ぼうぼうで家の裏のほうは見れなかったのですが」
担当者:
「はい、私も見れませんでした」(←「担当者が言うな!」<私の心の声>)
「残置物は売主様が撤去しますので」
「諸々含めてあの値段です」
「で、どうされます?」
私
「……買います」
担当者
「……よかった」
こんな、不動産売買らしからぬ会話の中、買うことになってしまいました。
この時から半年間、激烈といっても過言ではない私の苦労が始まるのでした。
<考察>
考察1
三為業者はまず、手に余る不動産の買取をネット上で始める。相続や権利関係が複雑すぎて困った売主から安く安く不動産を買い取る契約をするのである。
考察2
三為業者はまず、会員の中で買主を探す。会員の中で売れない時初めて一般の不動産サイトに流通させるようだ。
考察3
三為業者の契約には現状優先で、記載したことに責任を負わないようなことを書いているが、そんなことはない。最初に伝えられた物件情報に対して当然責任(瑕疵担保責任)は生じるはずだ。
DIYほぼ終了!横須賀の物件の現在の様子を公開!
↓キッチンは白タイルを貼りました
↓和室。ライトもつけました。
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