中古住宅を古民家風にDIYリフォーム!

中古住宅を購入。心地よく住むために、古民家風に手を入れていくプロセスを紹介します。

わが家を震撼させた生物の話


猛暑が続き、セミの大合唱が響き渡っています。


鎌倉に来て、セミのイメージが変わりました。


というのは、
カナカナカナと鳴くヒグラシを、私は晩夏のセミだと思い込んでいたからです。
カナカナと聞くと、もう秋だな……と。


でもそれは違っていて、
うちの近所では、どのセミより真っ先に、ヒグラシが鳴き始めます。
7月に、カナカナカナ……


8月中旬のいまは、ミンミン、ジージー、ツクツクボーシが幅をきかせますが、
カナカナカナも負けていません。


……と、どうでもいい話続きで、
今日は、
昨夏、わが家を震撼させた生物の話をしたいと思います。


昨年7月末、夫が、夫の部屋で「なにか聞こえる」といいます。


2階の夫の部屋に行って、エアコンを切って、耳をすませると……


聞こえます。ウィーン……
隣の家のエアコンの音でしょうか?


音に強弱があります。
不規則で、時々止まります。
エアコンじゃなさそうです。


夫の部屋の天井の向こうのほう(天井裏)で聞こえます。
隣の私の部屋に行くと、その音はもう聞こえません。


ああでもないこうでもないと話していて、
「もしかして、ハチでは?」


たしかに虫が飛ぶ羽音のようにも聞こえます。
ブーン、ブーーン


そうこうするうちに、夫が、
部屋の中をフラフラ飛ぶ虫を冷凍スプレーで退治しました。


これはやはり「ハチ」に違いない!


ネットで検索しても何バチだかわかりません。
スズメバチだったらどうしよう……。


↓ 冷凍スプレーでなんとか捕獲。


さっそくネットで見つけたハチ退治の会社に、電話で問い合わせました。
写真を送るように言われて、上記の写真を送ったところ……


「チャイロスズメバチという少し特殊なハチです。
隙間から出入りしていますのでどこから出入りしているか確認できれば駆除対応できます」
という返事が!


他のスズメバチの巣を乗っ取るような、怖い怖い種類なんだとか。


しかし、
「どこから出入りしているか確認」しないと、駆除に来てくれないそうです。


どこから出入りしているのか探すところから業者さんにお願いしたかったのに、
八方塞がり、打つ手なし、です。


桟と壁の隙間から出てきたんじゃないか説
押し入れの奥の、天井裏の入り口から出てきたんじゃないか説
あれこれ考えたのですが、
なんせハチが出てくるタイミングに遭遇していないので、わかりません。


天井裏でハチが飛んでいるのは確実だとして、
それが時々、夫の部屋の中に入ってくるのも事実だとして、
いったいどこが出入り口なの???


数日後、
ゴミを出しに行くときに、家の外に出てふと空を見上げて、
ついに見つけました!!


家の2階の窓のさらに上についている通風口に、
ハチのようなシルエットの虫が飛んで来ては飛び去っていく様子を!


さっそく、先の業者さんに連絡。
すぐに駆除に来てくれました。


やって来たのは男性2人。
ひとりは、テレビで見たことのある宇宙服みたいな防護服に着替え、
エアコンを切った酷暑の中を汗だくになって作業してくれました。


押し入れの上の天井裏の入り口から薬剤をまき、
屋根づたいに通風口からも薬剤をまき、
出てきたチャイロスズメバチを捕獲。
数十匹のスズメバチを駆除できたようです。


結局、天井裏には入らなかったので、どんな状態の巣があったのかはわかりません。


通風口からハチが再来しないように、
後日、夫が自力で屋根にのぼり、通風口に網を設置しました。
これでスズメバチが戻ってきたとしても、もう入れません!


今年も窓のそばに大きなハチがやってくると、
アースのハチアブスーパージェットをシューッとひと吹きして、
家に寄せ付けないようにしています。


山や森が近いので、いろんな生き物がわが家を騒がせますが、
いまのところ、スズメバチに関しては安泰です。


駆除費用は3万円でしたが、
スズメバチの駆除に関しては、鎌倉市から補助金が出ます。
駆除費用の3分の1を負担してくれました(上限あり)。
業者さんが手続きをしてくれたので、後日、補助金(1万円)が振り込まれて、
実質2万円でした。



おまけ
夏は毎晩、玄関の窓ガラスにやってくるヤモリくん。
ねこも毎晩、家の中から待ち侘びています。


<考察>能登半島で考えた

暑いですね、夫です。


この夏は能登で夏休みをとりました。


北へ行けば少しは涼しいかと思ったのですが、とんでもない。
フェーン現象とやらで猛烈な暑さの中、観光をすることになりました。
ただ、鎌倉と比べて湿度は若干低かったように思います。


誰も来ていない縄文遺跡。
真昼に斜面を上り下りする我々夫婦、
よく行き倒れにならず助かったものです。



二日目からはタクシーを借り切り、運転手さんに希望の場所を案内してもらうことにしました。


海岸沿いに見える漁師町。
古い町並みではあるのですが、なかなか立派な造りに見えます。


↓ 黒い屋根の立派な家が多い


「運転手さん、黒い屋根の立派な家が多いですが、ここはどんな産業があるのですか?」


「昔はイカ釣船で賑わったんです」


「ほう、道理で。町並みは美しいですね」


「今はダメです」


こんな話もしてくれました。


「私が子供の頃はね、やはり学校の先生が勉強せい!と言うんですよ。勉強せんと将来後悔するぞ、とね」


「しかしクラスの男の子は『でも先生、勉強せんでも中学出て2年も沖の船に乗れば大きな家が建つぞ』」
と、返したそうです。


こう言って笑っておられました。


しかし、いくらイカで儲けた漁師の御殿でも、過疎化が進む地域の住宅は問題が多い。
その住宅自体立派でも、周りに人が住まなくなると駅がなくなりバスが来なくなり、
学校は統合され廃校になる。店も閉じる。


やはり今実働の産業がなければ寂しいものである。
人口減少地の住宅の購入はむずかしい。


運転手さんの口ぶりからすると、
子供たちは金沢市に家庭を築いているようである。
でも運転手さんは昔から住んでいる古き良き住宅を離れられない。
家は住まずに空けるとすぐに傷んでしまう。
運転手を続けながら家もいたわって慈しんでいるように見受けられる。


さて、少し走ると塩田が見えてきました。


↓ 猛暑のなか、塩田で作業中


海から大きな桶を前後に担ぎ海水を上手に均等に砂地の上に撒く。
乾いたら表面の砂と塩を掬い取り塩田の真ん中にあるタンクに放り込む。
そこで砂が沈殿した後にはとても濃い塩水が残る。
その濃い塩水を小屋の中の釜に移し煮込み塩とニガリだけにする。


このやり方は江戸時代から変わっていないそうです。


能登半島最北端をめざしてまた走ると沖に小さな島がいくつか見えてきました。



「運転手さん、あれはなんですか?」
「ああ、七ツ島だね」


沖の方、小さく均等に島がならんでいます。
何度数えても六つしか数えられません。


「今は見えんがあの先に島があって、そこで海人さんが牡蠣をとっておる」


島民は40人ほど。コンビニもない、自動販売機ができたら話題になった島。
民宿が一軒あって、酔狂な観光客が泊まりに来ると開くそうである。


能登半島最北端には灯台があって観光バスが2台つけていた。
車をおりて、灯台へのへの上り坂。何人もの観光客とすれ違った。
中国語も聞こえてきた。


水平線というのは気持ちいい。
いろいろなことを考えさせてくれる。
この海の先は韓国か、北朝鮮か。はたまたロシアか。
しかし能登は暑い。



宿は輪島にとりました。



<考察>


瓦屋根は50年保つ
戸建の屋根は主に3つ。


1、昔ながらの瓦屋根


昔ながらの瓦屋根はちょっと古風には見えるが丈夫で長持ち。
木が倒れてぶつかったりしない限り雨漏りもなく丈夫。
あるとすれば台風で瓦が飛ぶか、巨大地震で倒壊するかくらいである。
50年保つというのは本当らしい。


2、スレート瓦


コンクリートの板に防水塗装をほどこしたもの。
昔ながらの瓦の半分くらいの重量だそうです。
10年くらいで表面の塗装をやり直した方がいいらしい。
寿命は昔ながらの瓦の半分くらい。


3、ガルバリウム鋼板


表面加工をした金属である。
見た目も綺麗でそこそこ軽いらしい。
欠点は熱を通しやすいこと。


都内のマンションを売って戸建賃貸に少し住んだのだが、この戸建がガルバリウム鋼板だった。
はっきり言ってお勧めしない。
よほど天井裏にしっかり断熱材を入れてあっても夏は暑い。
今の住宅メーカーはうまく処理していると言うのだろうが、そこそこ古い戸建てでガルバリウムのものは夏暑くて耐えられない。
賃貸で入った家はそうだった。


「中古戸建てを上手に買う」観点からすると断然、昔ながらの瓦屋根がおすすめである。
屋根に人が登って瓦を割ったりしないかぎり、メンテナンスフリーである。
重量があるので地震に弱いとも言われるが、こと中古戸建てなら、新築からそれまで起こった地震には耐えたという証拠である。
これからも長持ちすると思う。


しっくい塗りで最も苦労した場所は

しっくい祭を終えて、第2次しっくい祭までの期間は約2週間。


GWだったので、夫と私で、できるだけしっくいを塗り進めることにしました。


塗り方が下手だったとしても、
あとでDIYアドバイザーさんたちに補修してもらえばいいのです!


大船の常宿に2泊して、
結局、4日間をしっくい塗りに費やして、家にあったしっくいを全て使い切りました。


(なので、第2次しっくい祭に向けて、しっくいを2袋、追加注文することになりました)


しっくいの塗り方については、「しっくい祭の翌日」で書いた通りです。


しっくいを踏んで、コテ板にしっくいをのせる。
コテでしっくいを塗る。
コテ板にしっくいをのせる。
コテでしっくいを塗る。
コテ板にしっくいをのせる。
コテでしっくいを塗る。
しっくいを踏んで、コテ板にしっくいをのせる。
コテでしっくいを塗る
………
と延々、もくもく、続けました。


これがなかなかの重労働。
夫はこのあと、ぎっくり腰になってしまうのですが、
その話はまたあとで。


さて、しっくい塗りで最も苦労した場所について書きたいと思います。


しっくい塗りに困難を極めたのが「洗面所」です。


洗面所は、他の部屋とは違いました。
何が違うのかって、壁の材質です。


「プリント合板」
というのだそうです。


↓ 洗面所before。黄色っぽい壁がプリント合板。
入口から撮った写真です。洗面台が奥に設置されていました。
奥はお風呂。右側にトイレのドアがあります。


上の写真は、洗面所beforeなんですが、
このあと、洗面台を撤去して、あらたな洗面台を手前に、洗濯機を奥に配置する工事をしてもらいました。


さて、プリント合板に話を戻します。
この材質、しっくいとの相性が悪かった!


プリント合板にしっくいを塗る手順としては、
1 紙やすりでプリント合板の表面をこすって傷をつける。
2 合板と合板の間の溝をパテで埋める。
3 網状になっているネットテープを貼る。
4 シーラーをたっぷり塗る。
5 しっくいを塗る。
という順序だったと思います。


↓洗面所の天井を白ペンキで塗っている夫。
白い縦縞に見えるのは、合板と合板の間の溝をパテで埋めてある様子。


手順1でプリント合板の表面に傷をつけるのは、シーラーをのりやすくするため。
シーラーがきちんとのっていれば、しっくいもおさまります。


手順を踏んで、しっくいを塗り終えたのですが、
少し時間が経つと……、なんと!
しっくいの下のプリント合板がボコボコ波打ってきました。


しっくいの水分を合板が吸ったのでしょうか。
しっくいの重さがかかるせいか、板がはがれそうです。部分的にはがれてきました。
しっくい自体も表面がひび割れて、今にも落ちてきそうです。


↓合板が波打って、板のささくれが飛び出してきました。


ひび割れたしっくいを補修しようと、上から塗り重ねたので、さらに分厚く粗くなってしまいました。見た目がボロボロ……


↓ひび割れを隠そうと上塗りしすぎて、見た目が凸凹……さすがにギブアップ。


困り果てて、DIYアドバイザーの嶋崎さんにSOSの電話をしたところ……


「大丈夫! 次のしっくい祭で補修するから問題なし」とのこと。


はがしてやり直さなければならないかと暗澹たる気持ちになっていたので、
少しホッとしました。


実は、遡ること数週間前、
ガス屋さんと設備さんに、洗面所の配管位置を変える工事をしてもらったときに、
設備さんが夫にこう話していたのでした。


「この壁をしっくいにするの? この板に直接ってのは無理だな。板を全部はがして、ベニヤ板を貼り直して、その上に網を貼って、それからしっくいを塗るのがいいと思うよ」


↓ 遡ること数週間前。前述した、洗面所の配管位置を動かした工事の時の写真。



そんなこともあって、まさかやり直しか⁉︎と不安だったのですが、
嶋崎さんの「大丈夫」の声にホッとしたのでした。
以前、プリント合板にしっくいを塗った経験があるので、補修可能とのことです。


とりあえず、極端に波打って剥がれてきた板の部分ははがして、
しっくいを塗り重ねすぎて分厚くなたところは、カッターで削っておきました。


後日、嶋崎さんがコツコツ補修をしてくれました。
はがれてきた箇所を削って、ネットテープを貼り、シーラーを塗り、しっくいで仕上げ。
半日くらい、手間がかかっていたと思います。


多少の苦労の跡はありますが、無事に仕上がりました。
あらためて嶋崎さん、ありがとうございました!
この補修は、素人の私たちにはとても無理です。


これを書いているときに、夫に
「洗面所は狭いし、しっくいじゃなくてもよかったんじゃないの」
と言ってみたら、それは違うと。


「しっくいのよさは、においを吸収したり調湿したりするところにあるから、洗面所やトイレこそ、しっくいの材質があっていると思う」


なるほど。たしかに、トイレがしっくいなのは落ち着く感じがして気に入っています。


わが家の場合、しっくいを塗った壁の材質は3種類ありました。
砂壁、壁紙、そしてプリント合板。


砂壁はシーラーをたっぷり含ませてから、しっくいを塗る。
壁紙は比較的しっくいを塗りやすい。
プリント合板は前述の通り、です。


いずれにせよ、下地処理をきれいにしてないと、しっくいの表面はツルツルになりません。



おまけ
真夏の能登に咲く花と、青の洞窟。