中古住宅を古民家風にDIYリフォーム!

中古住宅を購入。心地よく住むために、古民家風に手を入れていくプロセスを紹介します。

大工さんの「床の直し」がすごい

大工仕事は主に「床の直し」と「屋外のき天の直し」。


二人でやってちょうど15日間。
今回の工事のメインである。
DIYの第1期と第2期との間、23年11月にやってもらった。


私から予算を限定して依頼していたので、この範囲でこのくらいという工事だった。
残りはDIY隊にお任せという段取りである。


家の直しの中でも大工さんにしかできないところをやってもらわなければならない。


最初の診断ではどの居室も問題があり、本来ならば全ての床を剥がしやり直さなければいけない状態だった。


比較的まともだった廊下と一番狭い四畳半をそのまま残し、キッチン、8畳、6畳の床を開くことにした。


相談の上、キッチンと6畳はフローリングに変更。
8畳は床下を整備し畳を戻すことにした。


↓6畳はフローリングに変更


↓8畳は床下を整備し畳を戻すことにした


実は廊下も一部沈むところがあったのだが、大工さんが居室の床下から潜り込み下から補強材を入れてくれて対処した。これで廊下の表面のむくの床材は流用できることとなった。


↓補強材を床下から入れてくれたので、沈みが改善。


さて一番簡単に済むと思っていた8畳がやってみると一番大変だった。
というのも古い戸建にはよくあることらしいが、柱、床がちょっとずつ歪んでいるのである。


余談だが、鎌倉の自宅のご近所さんが家を直した。
ずいぶんきれいになったのだが、柱を見ると微妙に傾いた柱と真っ直ぐな柱があることに気づいた。真っ直ぐな柱は新しく追加した柱らしい。どうも斜面に建つ家は長い年月の間に傾きが出ることはそう珍しいことではないようだ。


我が平屋もさまざまな方向に微妙に傾いており、それが特に8畳間に現れているようだった。
大工さんと相談した。


大工さん「我々がよく使う言葉に『ぬすむ』というのがありましてね」
私「なんですかそれ?」
大工さん「ここはねえ柱も微妙に傾いている。床を水平に貼り直すことはわりと簡単なんですが。そうすると今度は柱の傾きが目立ってしまう」
私「なるほど」


それで「ぬすむ」のだそうである。


要するに家の各所を完全に直せないのなら、それぞれが程々にバランスが取れるくらいに直すのだそうです。
この家の8畳の床の傾きは半分くらい戻すことにしました。



↓この器具で傾きをはかるらしい


大工さんのワザはすごいものだ。
床下に上下左右にはりめぐらした角材の組み合わせ方で、高さ、つまり床の傾斜を調節する。
下の写真で、横に渡した角材に少し切れ込みを入れて高さを微妙に調節している。
切れ込みの深さで高さを調節しているようだ。


↓角材に切れ込みをいれて(赤い丸をつけたところ)、高さを調節。


職人が二人で15日間、床材も入れて110万円なり。
安いでしょう?


↓6畳のフローリングが完成!


↓8畳の床下整備も完成。畳も新しくした。



↓今回もお世話になった、大工さん。



<考察>


【1】基礎からジャッキで持ち上げる技術もある
地震の被災地などで傾いた家を水平になおす工事を請け負う会社があるようだ。
なんでも基礎からジャッキで徐々に持ち上げてゆく。
なるほどすごい技術があるものだが、その予算を見ると「150万円から」という但し書きがあった。
うちのような低予算のリフォームでは到底無理だ。


【2】大工さんの知恵は計り知れない
大工さんの技術には我々凡人には計り知れないものがある。
ダメ元でお茶の時間などに相談してみると良い。新しい道が開けるかもしれない。


【3】大工さんは「強度>見た目」で考える
大工さんは強度を中心に考えて仕事を進めるようだ。
我々だとここはこの方向に板目を出してほしいとか考えるが、大工さんは強度を優先する。見た目は二の次だ。
だから最終仕上げがどうなるかはその都度相談した方がよい。


【4】床がふわふわする原因は
床を開けてみてわかったのだが、ふわふわして不安定な床の原因のほとんどは床材とか畳のすぐ下にある板が腐ったりヒビが入ったりしてそうなっている。その下の左右にめぐらした角材自体がダメになっていることはまずない。

アンティークハウスに仕上がった⁉︎

大工さんの直しが終わって季節ははや12月。
第2回目のDIY隊の出番である。


窓も戸も開けっぱなしでの作業は寒くてつらい。
予算オーバーを覚悟でエアコンの設置とガス暖房器を買うことにした。


例によって節約。
エアコン本体は価格ドットコムで最安値の新品、工事は「くらしのマーケット」から安くやってくれる人を探した。ガスファンヒーターもヤフーオークション。


2回目のDIY作業は廊下の天井直し、障子の貼り直し、破れた襖の貼り直し、廊下などの隙間埋め。ガタのきた扉などの立て付け直し。外の縁側付け直しなどなど。
やってもらうべきことはキリがない。


↓ 寒い中をありがとう。


それから大工さんに閉じてもらった勝手口、ここを洗濯機置き場にするために踏み台を作ってもらった。


↓ 勝手口に洗濯機置き場が完成した。


この予算は最終的に計算しての請求だったので未知のゾーン。
さて幾らになるんだろう?
この場所の蛇口の引き込みと排水口の設置は例によってガス屋のおじいちゃんに再度追加で頼んだ。
工事費、材料込みで5万円なり。


廊下について、DIYアドバイザーから表面にクッションフロアーを貼ってはどうかと提案があったが、私はどうしても無垢の材質を生かしたかった。


なのでグラインダーで表面を削ることにした。
こういう作業は技術より時間と根気である。
DIY隊に頼むのではなく私一人で作業した。クリスマスから正月初め丸3日の作業であった。


↓ グラインダーで表面を削ったのが左側。新品の木材みたいになった⁉︎


さてだんだん家らしくなってきたこの平屋、そろそろ仕上げである。


そもそもこの家を買った理由の一つが昭和の味わい。
ガラスの模様がきれいで古い造り。
少しずつきれいになってきたのだからそれを生かしつつ仕上げていくのがコツである。


照明は全てアンティークに。
ガラスに似合う鏡を用意し、おまけにネットで落札した柱時計をつけることにした。


↓ 照明はアンティークに。柱時計もつけた。


↓  照明を選ぶのは楽しかった。


↓  玄関にはアンティークランプ。もはやDIYではない。


↓ 窓ガラスの模様に似合う鏡をつけた。


もうこうなったら実用なのか趣味なのかわからない。
妻には「大きなプラモデルを買ったみたいだね」と笑われた。


徐々に構想通りのアンティークハウスになりつつあったがそろそろ時間との勝負になってきた。
もしここを貸し出すなら引っ越しシーズン前に賃貸広告を出さなければいけない。
賃料も設定しなければいけない。
感傷に浸っている場合ではない。


<考察>
【1】「くらしのマーケット」を活用
ネット上に「くらしのマーケット」というサイトがあって様々な内装作業の職人が登録している。その中から地域的に近く人間的に良さそうで安い人を探す。最初は不安も伴うがやってみればそう大きな問題はないようだ。大抵の場合工務店に依頼するよりはるかに安い。


【2】古い床板をグラインダーで削る
廊下の表面をグラインダーで削る作業。大きなホームセンタなら安く貸し出してくれる。一泊千円もかからない。別にペーパーを買わなければいけないがこのペーパーの目の細かさが選択の山となる。そう高くもないので2種類くらい買ってみると良い。問題は作業でものすごく削りクズが舞うので、ビニールなどで小さな空間を作りその中で作業すると後の掃除が楽だ。


【3】賃貸に出すなら……
賃貸住宅として貸し出すなら工事は12月に終えるのが理想である。不動産屋と契約して1月の半ばから広告してもらうと有利にことを運ぶことができる。賃貸事情はまた追って書くことにするがこれも様々なノウハウがあるようだ。