中古住宅を古民家風にDIYリフォーム!

中古住宅を購入。心地よく住むために、古民家風に手を入れていくプロセスを紹介します。

オンラインで契約⁉︎

さて前回、引き渡し前に支払った費用について書きました。
1、住宅価格の10%
2、駐車場確保
3、草刈り業者


もちろん「住宅価格の1割」の振込が一番大きいのですが、この振込、電話連絡とメールだけで進めたものですから、担当者とも会わず、なにも受け取らずに振込だけ済ませたわけです。


もし、これが詐欺だったら?
もし契約までに会社が倒産したら?
もし大地震が起きたら?
色々不安になるのです。
担当者に連絡し契約を急いでもらいました。


「では、重要事項の説明はzoomで行います。契約書は郵送で」
「ちょっと待ってください。こちらが行きますから対面でお願いしますよ」
「そうですかあ」


8月半ばすぎ、実印をもって、三為業者のビルへ初めて行きました。
暑い日でした。



普通の不動産契約なら、契約書に押印と同時に代金を払うのでしょうが、私の場合すでに銀行振込をすませてある。


「契約書に不具合があったり、重要事項説明に問題があったらお金を返してくれるのだろうか?」
不安はありました。


約束の時間、受付で担当者に連絡。
この時初めて電話で話した担当女性Aさんと対面しました。


印象は、今まで会ってきた不動産業者と比べてちょっと派手目。
でも電話の印象と大体同じ感じ。


会議室に通され、先ずは別の宅建取引主任者から重要事項説明を聞きました。


今までの資料や説明と若干違うところがあったので確認のため担当者Aさんにも同席してもらいました。


重要事項説明には、ガス水道電気すべて「◯」とあるのですが、何をもって「◯」というのか、そのあたりが明快ではありませんでした。


確認すると担当者Aさんは「ガスと電気と水道が間違いなく引き込まれている」。
これが、ガス、水道、電気 「◯」だそうです。
「雨漏り、白蟻なし」だそうです。


「じゃあ、電気もガスも水道も使えるのですね」と私が尋ねると、
「中の設備の補償はできません。電気で点かないものもあるかもしれません。」とAさん。
随分曖昧な答えですね。


そして重要事項説明書の最後に「記載事項は全て現状を優先とする」と書いてありました。


「これってあまりじゃありませんか! これじゃ今まで確認したことすべて無駄になっちゃいますよ」と、私。


でも、私はこう言いながら、三為業者といえども、こんな責任逃れのようなことは法的にできないことを知っていました。


「契約書に書いてあること、重要事項に書いてあることの責任は三為業者にある」ことを前提に「あまりわずらわしいことを言わないでくださいね」くらいのつもりで了解しました。


そして最後に「ガス水道電気は使えると思っていいのですね!」と念押し。
担当者は「はい、できます」との回答で、契約書にサインしました。


9月末に残金振込をもって引き渡し。
登記を書き換えて、10月半ばに登記関係の書類が届くとのこと。


「残置物撤去、急いでくださいね」
「それと、草刈りは引き渡し前にさせてくださいね」
と言って会社を出ました。


そして9月の初め、草刈りをしたことは、前回書いた通りです。


草刈りを業者にやってもらっている時、私は現場を訪ねました。
まだまだ暑い日で、作業中のみんなに冷たいペットボトルのお茶を届けました。


その時、気になっていたガス水道電気のチェックを家の中に入ってこっそりやってみました。


配電盤のスイッチをオンにすると何箇所か部屋の電気がつきました。
電気は来ているようです。


ガスは怖いのでチェックができませんでした。


水道は?キッチンの蛇口をひねるとちょろちょろ出るようです。
これってOKなのかな?


フライングかとは思いましたが次の日、水道局、東京ガスに連絡し、状況を確認してもらうことにしました。
(次回に続く)



<考察>


【1】 契約は対面でやること


今時、オンライン会議が多いようだが、対面には対面の良さがある。相手の細かい表情とか、曖昧さ、契約などは対面でやってもらいたいものだ。



【2】ある程度割り切る必要もある


三為業者との契約(不動産全般に言えることかもしれないが)は、言葉で説明しきれない部分もあり、契約の意思合致がむずかしい。いちいち突き詰めれば契約自体が成り立たない場合もある。曖昧な事実も低価格に含まれていると割り切ることも必要かも。


【3】ハンコを押さない勇気も必要


といってもどうみてもおかしいことがもしあれば、絶対にハンコを押さないこと。そういう勇気は必要だ。



おまけ


平屋のインフラ問題

今回、私は色々学ぶことがありました。


家をつくる、あるいは維持するのに道路付けが大事なことはよく語られることですが、
土地があって道路が接していればOKかというと、そうではありません。


敷地のすぐ近くまで電柱が来ていて、
うちの前まで水道管が来ていて、
家の前までガス管が来ていなければダメなのです(プロパンガスという手もあるが)。
案外めんどくさい。


井戸を掘る、発電機を置く、ガスボンベを置く。
なかなか大変です。
やはり都市ガス、水道、電気が引けることは必須です。


横須賀の平屋はとりあえず全て引き込まれていましたが、本当に使えるかどうか?
前のオーナーが空き家にして長い場合は怪しいものです。


先ずは水道。


前回お話ししたように水は出ますが、出方がちょろちょろです。
横須賀水道局に電話しました。
「家の敷地内に水圧チェックのためのボックスがあるはずだから開けて覗いて」
「その中のバルブをあけると水圧で中のコマが回るはずだから見て」
と言われました。


ありました。
が、やってみてもよくわかりません。
あらためて水道局に、新しく使うようになるから私の名前で契約をと頼みました。



次の日、携帯に電話がかかってきて、係がボックスをチェックしたが、水圧が十分でないとの判断。
「ここでも別途お金がかかるのか?」と心配しましたが、チェック用のボックスまでは水道局の責任で無料で工事をしてくれるとのこと。


次の週、水道局の下請け業者が3人、道路から石垣を伝って玄関前までの水道パイプを取り替えてくれました。チェックのためのボックスも新品に。そこそこの工事でしたがここまでは無料。工事のお兄さんに聞いてみました。
「ここから先、家の中の水道管は大丈夫でしょうか? もし取り替え工事をすると有料ですよね?」
「外の足洗い場の水道が大丈夫だから中も大丈夫だと思いますよ。最初は赤錆が出るかもしれませんが」


このやりとりを三為業者担当女史Aさんに伝えました。
するとその日のうちにチェックに来たようで、その後、私の携帯に連絡がありました。
「出ました。水が出ましたよ。ホッとしました」と。正直な意見。
これで建物内の水道管取り替えはしなくてすみそうです。


その次は電気です。


水道と同様、新しく契約を結ぶことを前提に、東京電力に電話しました。
こちらはもっと簡単で、家の外壁に設置してあるボックスを係がチェック。あとは新規契約書を送り返せばOK。家の中にある配電盤のスイッチをONで使えるとのこと。


しかしこの時はまだ残置物撤去が済んでいなかったので、個別の電気の状態は保留ということにしました。おそらく大丈夫だろうと。


一番大変だったのはガスです。


危険を伴うのでそれぞれ器具の点検は立会いのもとにということで、時間を決め来てもらいました。
確か、残置物撤去のすぐあとだったと思います。


東京ガスの下請け業者が一人やってきて色々チェック。
まず外のガスメーターが壊れている。
これは交換用のメーターを持ってきていて、その場で替えてくれました。


それからキッチンについている室内ガス給湯器。
これはまだ正常に機能するようでした。




風呂用室外給湯器、エコジョーズ。
下請け業者さんは「外にある給湯器、何年か使っていなければ大抵ダメですね」と言いながらカバーを外しチェックしていましたが「やっぱりダメです。取り替えです」と。


私「修理はできませんか?あまり予算が無いので」
業者「やあ、無理ですね」


私「……。工事はやってもらえるのですか?」
業者「東京ガスに依頼しても結局やるのはうちのような下請けですからね」
私「なら、直接下請けさんに頼んだ方が安い?」
業者「そうねえ……」


私「外の風呂用給湯器を替えるのならキッチンの給湯器を外して外の給湯器からお湯を回すことはできるんですか?」
業者「ええ、できますよ。しかし配管回しと撤去費用と新品給湯器、かなりかかりますよ」
私「どのくらいかかりますか?」
業者「そうですね、50〜60万でしょうか」
私「……(無常!)」


外のメーター交換は無料だったので、この日は何も払わず業者さんには帰ってもらいました。



三為業者担当者Aさんの言葉を思い出しました。
「ガス、水道、電気は使える」
では、ガス工事の分、物件価格の減額を申し出るか?
いや、応じないだろう。
では、契約をひっくり返す?


色々考えましたが、なんとか工夫で乗り切るしか無いだろうと、自分に言い聞かせました。




横須賀の港から


<考察>


【1】工事を行うのは地元業者


 東京ガス、東京電力、水道局すべて巨大組織ではあるが、実際の工事はすべて下請けの小さな地元業者が行う。



【2】下水は2タイプある


下水はおおまかに言うと浄化槽タイプと、直接下水管に流すタイプがある。
この物件は下水に流すタイプ。水道局の管轄らしい。


【3】給湯器は中古という手もある


給湯器のメーカーは主にノーリツ、リンナイ、パロマなどがある。
どれもしっかりしたメーカーのようだ。メーカーのカタログを見るとどれもびっくりするほど高い。
中古という手もある。

残置物撤去後は見積もりラッシュ

残金支払い日の1週間くらい前に、残置物が撤去されました。
9月の半ば過ぎのことです。


三為業者がやる作業なので任せておけばいいのですが、
どうやってやるのか興味があったので途中で見に行きました。
丸2日かかったようなのですが、行ったのは2日目の昼ごろ。


こういう作業を専門的にやる業者が存在するのですね。
1日目は残置物の選び分け。
2日目はトラックでゴミ処理場との往復を何度も。
5人で分担して作業していました。
2人は部屋から物、ゴミ袋を庭に出し、残りの1人がそれらを積み下ろしのできるギリギリの場所まで運ぶ。
車をゴミ処理場まで往復させるのに2人。
この作業に一体いくら払っているのか知りませんが、すさまじい作業量です。


そして、家の前に車を停められない問題点を見せつけられました。
それでも下請け業者は工夫してやるのですね。


残置物の様子(写真は加工しました)



さて、残置物撤去が終わりました。


ついに終了!!


間髪入れず、家の補修見積もりがスタートです。


所有権移転の前後だったと思いますが、大工さんに見てもらいました。
鎌倉の家を直すときお世話になった正直大工さんです。


床はほとんど全部やり直し、天井は真っ黒、外の軒天はボロボロ。
ここまでやったらいくら?ここをやるといくら?と言う具合に、値段と相談しながら直す部分を決めていきました。


きちんと直していけばキリがありません。
予算100万を目処に、できる範囲を確認していきました。
チェックした中で、雨漏りが無いこととシロアリの被害がないことがせめてもの幸というものでした。


次に来てもらったのは鎌倉の家でお世話になったDIYアドバイザーの嶋崎さん。
2年ぶりの再会です。
DIYチームには壁の塗り、柱の塗り、天井の塗り。キッチンのタイル貼り、照明の付け直しをお願いすることに。予算は60万前後。


その次に来てもらったのは鎌倉でも工事してもらったガス屋さん。
元々プロパンガスを扱う店舗なのですが、せっかく東京ガスのガス管が入っているのだからその延長整備として工事もやってくれるとのこと。
プロパンの業者は後でプロパンガスの代金として回収できればいいと考えているようで基本的には工事を安くやってくれるのですが、今回は都市ガスの配管工事。後でガス料金で回収するということができません。こういう場合は高い見積もりを出すのではないかと恐れていたのですが、案外安価な見積もり。助かりました。大体20万くらい。


家の補修見積もりは、ここまでで既に200万近い予算になるのですが(実際やってみるとこれを遥かに超えるのだが)、私にはどうしてもやりたいオプションがありました。


それは、外壁を白に塗ること。


えんじ色のトタンと、青の雨戸。この組み合わせがどうも気に入らない。なんとかしたい。そう思っていました。


えんじ色と青の組み合わせが気に入らない!


DIYの嶋崎さんに相談したところ、返事はNO!
理由は、古いトタン材質の上に違う色の塗料は色が乗りにくい。剥がれるかもしれない。
何よりも、平屋といえども足場を組まないことには屋根付近を塗るのは無理。危険すぎる。
とのことでした。


大きな挫折がいきなりやってきました。


そして9月末日住宅購入の残金を振り込み、晴れて所有権が私に移りました。
だいたい車一台分くらいの出費と申しておきましょう。



<考察>


【1】プロパンガスのよいところ
プロパンガスを使う場合、工事代金がが安く済んだり時にはエアコン1台ただでつけてくれることがあるらしい。これは、その後支払うガス料金が都市ガスと比べて高いからだと言われている。賃貸アパートにプロパンガスが多いのはそのため。


【2】残地物撤去のしくみ
残置物撤去は、買取業者という体裁でゴミを含めて持って行ってくれるようだ。売れるものは買い取ってくれるのだが、値段のついた物を全体の撤去費用から差し引いて支払う形態を取る。一軒あたり数十万はかかると思った方がよい。撤去予算こっち持ちの場合は大変な出費になる。


【3】戸建てで足場を組む場合
足場を組むとそれだけで30〜40万かかる。平屋の場合、建物の周りに空間的余裕があれば、足場を組まなくても脚立で作業できる場合もある。2階建て以上で脚立は無理。